脳卒中(脳血管障害)
以下のような「脳梗塞」「脳内出血」「くも膜下出血」等の脳血管障害を総称して「脳卒中」と呼びます。

脳血管障害の分類には米国のNational Institute of Neurological disorders and Stroke(NINDS-?、1990)の分類と国内の厚生省循環器病委託研究班の分類(1990)がありますが分かりやすい方で分かりやすいようにまとめてみました。

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脳血管障害の分類(厚生省循環器病委託研究班の分類)
1.明らかな血管性の気質的脳病変を有するもの
虚血群(虚血性疾患)=脳梗塞(症)
脳梗塞
動脈硬化などのために動脈が狭くなったり、あるいは動脈や心臓内に出来た血のかたまりが脳の動脈に流れ込み詰まってしまうために起こるもので、その詰まった血管によって栄養を受けていた部分の脳組織に血液がいかなくなり破壊されて、脳の軟化を起こします。
突然、発症するもの、段階的に増悪するものなど、病型により様々ですが、多くの場合、前駆症状としてめまい、頭痛、舌のもつれ、手足のしびれ、半身麻痺や昏睡などになります。
├脳血栓症(血栓性)
├脳塞栓症(塞栓性)
└分類不能の脳梗塞(無症候性脳梗塞など)
出血群(出血性疾患)=頭蓋内出血
脳内出血
脳の血管が破れて出血をおこすもので、多くの場合深い昏睡とともに半身の麻痺が起こります。脳内出血の誘因として疲労、精神不安、寒冷刺激などが多く、また活動中にも起こることが多いです。
くも膜下出血
脳は、くも膜という膜でおおわれていますが、くも膜と脳の表面との間にある小さな動脈にこぶ(動脈瘤)があると、血圧があがった時などに破れて出血(脳動脈瘤破裂)し、くも膜下出血になります。頭痛がひどく悪心、嘔吐があり意識が混濁しますが、四肢の麻痺は通常おこりません
2.その他
一過性虚血
脳の血液循環が一時的に悪くなり、めまい、失神、発作などをひき起こします。少し横になっていれば治りますが、脳梗塞の前駆症状とも考えられており、高齢者では十分な注意が必要です。
慢性脳循環不全症
脳動脈硬化症。一般的にいわれる脳血管内の動脈硬化により脳への血流障害が起きるもの。
高血圧性脳症
高血圧がかなりひどくなると、脳の内部にむくみが起こります。このため、頭痛、嘔吐、手足のけいれんなどが見られ、目が見えなくなることもあります。
その他

脳卒中の主流は脳内出血から脳梗塞へと変化してきています。
死亡率が減少している反面、患者数はむしろ増加していることから、今後、発症予防や発症した後のリハビリテーションの推進がますます重要になります。