7.悪性リンパ腫の治療
悪性リンパ腫に対する有効な治療法には、
放射線療法:高線量のX線等の高エネルギー線を用いて、がん細胞を殺し、腫瘍を小さくします。
化学療法:抗がん剤等、薬剤を用いてがん細胞を殺し、腫瘍を小さくします。
抗体療法:リツキサン等の治療薬で腫瘍が縮小する。
他に外科療法などの複数の治療法があります。他のがんに比べて、非ホジキンリンパ腫は放射線療法や化学療法がよく効く悪性腫瘍であることがわかっています。ときに、これらの治療法を組み合わせることが必要になったり、これらの治療に造血幹細胞移植療法(骨髄移植療法を含む)を用いたりする場合があります。


1)低悪性度リンパ腫
 I、II期   患部に放射線治療を行うのが一般的
 III、IV期  リツキサンによる抗体療法と抗がん剤による化学療法の併用で従来の化学療法単独よりも治療成績の改善が期待されています。(ただし、症状のない場合や病気が進行する傾向を示さない場合は、抗がん剤等での化学療法が効果をあらわさないことがあるため一時、経過観察する選択がとられるケースがあります。)
2)中?高悪性度リンパ腫
 ◆標準的な化学療法(CHOP療法)
  最も有効な抗がん剤(ビンクリスチン、エンドキサン、アドリアマイシン)3つに副腎皮質ホルモンを加えた4剤による併用療法。
 ◆リツキサン
  他の抗がん剤と異なり、白血球や血小板を減らす副作用が弱いために、抗がん剤の投与量を減らさずに化学療法と併用することができます。
 ●CHOP療法とリツキサンの併用(R-CHOP療法)が効果的なようです。
外来もしくは短期入院で通常、3週ごとに6?8コース行われます。薬剤投与日を起算日として3週間後の次の投与までを1コースとしてある様です。
3)リンパ節以外の臓器に発生するリンパ腫(節外性リンパ腫)
眼 : 放射線療法によって80%以上の治癒率が期待
鼻 : 早期に十分量の放射線療法を行うことが重要
胃 : 化学療法と放射線療法の併用もしくは外科療法
小腸や大腸 : 外科療法(+ R-CHOP療法)
精巣 : 化学療法+局部(脊髄液中)への化学療法
縦隔(肺を除く胸部内臓および構造を含む部分) : (放射線治療+)化学療法
脳 : 化学療法
皮膚 : 紫外線療法、放射線療法、化学療法などの種々の治療 研究中